ソウル旅行記

2024.01.02

 420分にママの電話で飛び起きる。4時台に家を出て、羽田空港へ。出国手続きを済ませてから、お腹が空いていたのでサンドイッチを買って食べる。これが失敗だった。出ないと思っていた機内食カツサンドが出て、重たいがもったいないので食べる。これによって、お腹は壊すし気持ちは悪くなるし、以降体調が最悪に。

 金浦空港に到着して、外の景色を見てまず思ったのは、写真や映像で見ていた韓国と「色味」が一緒だということだった。この感覚は旅行の終わりまで様々な場面で感じた。植生の違いによるものか、大気の汚染度によるものか、緯度による光の射し方の違いによるものか、風景がどことなく淡い色味で無機質な印象を受けるのだ。

 空港鉄道に乗車し、ソウル駅で地下鉄に乗り換え、東大門歴史文化公園駅へ。ホテルに向かい、荷物を預けて再び駅へ。初っ端から行こうとしていたウニョングンが正月?のため休みで出端をくじかれる。仕方ないので仁寺洞をぶらぶら。前情報通り美術品店やギャラリーであふれている街。東京でこのような街はあるか?神田あたりに近いような雰囲気。ひとまずカフェに入ろうとするも、探した店がどれも見当たらず仕方なく通りがかった店に入る。旅行では毎度のことだが、一つ一つ選択を重ねていかなければ前に進むことができず、その選択に普段より多くのエネルギーが必要なためとても疲れる。この店で初めて韓国語を使ってみるがあまり通じない。どうしても照れてしまうのもよくない。あんなに日本でブツブツ呟いて練習したのに、いざ話すとなると韓国語を使う自分に体が慣れておらずヘラヘラしてしまう。カフェラテ美味しかった。

再び通りをぶらぶらして、近くの大きめの寺へ。堂に入ったところ思った以上に信心深い方々ばかりで、お作法がわからない自分は所在なし。その後またひたすら大通りをぶらぶらして、ロッテ百貨店まで行く。ここもハイブランドばかりで基本所在なし。日本にもあるようなブランドばかりで面白くない。英語を使いつつ化粧品ブラウジングにも挑戦したが相手は別にめっちゃ英語できるわけではなく汗をかいた。続いて明洞へ。有名な通りを抜けて明洞大聖堂へ。ここへ来てやっとヒット。きちんとした大聖堂に来るのは初めてだったこともあり、荘厳なつくりに大変感動した。その後明洞のオリーブヤングで爆買いタイム。ホテルの近くでもいいのでは?と迷っていたが、明洞の店舗が最大級らしく、やはりここで買い物をしておいてよかった。この後結局オリーブヤングには2,3回行くことになったので、もっと熟考してたくさん買っておいてもよかった。

 買い物を終え、ホテルへ。ここまでの間非常に調子が悪く、お腹は痛いし吐き気もめまいもあるしと散々な状況で、楽しみにしていた食事も1度もできないでいた。ホテルでとにかく休憩することに。8時ごろに起き出し、東大門の方へ向かって、チェックしていたユジョン食堂へ。純豆腐を頼む。本場のバンチャンがたくさん出てくるスタイルにテンションが上がる。スンドゥブ自体は優しいスープといった感じで、こちらでは別にそんなに気合の入った料理でもないのかなと思った。食欲皆無で心配していたが、美味しく食べられたし、食べたら意外と元気が出てよかった。

帰り、東大門を眺めて、夜のショッピング通りを覗いてホテルへ。早速オリヤンで買った化粧品を使う。

 

1/3

 起床後朝ごはん。軽めにして、朝から広蔵市場へ。食材店も反物屋も眺めているだけで楽しい。ただ朝一番過ぎてやってない店が多い。美味しそうな屋台はどこも満席で、まだ韓国語を使い慣れていなかったこともあり、お店の人に声をかけるのに躊躇してしまう。結局3回も4回も同じ店の前を行ったり来たりし、モジモジしながら屋台の端の席に座らせてもらう。本当にカッコ悪かった。私はキンパ、父はなぜか煮麺を頼む。それなりに美味しくて満足。

 その後チョンミョに向かうも何故か開いていない。仕方がないので移動することにし、博物館のあるイチョンへ。イチョンへは地下鉄から鉄道に乗り継ぐ必要があり、思っていたよりも時間も手間もかかった。が、ここまで地下鉄で2,3駅と乗っても歩いても変わらないようなしょっぱい移動しかしていなかったので、しっかりと目的地に向かって移動らしい移動ができ、旅の威厳が出ているぞと感じた。博物館は展示内容が豊富で、展示方法もバリエーションがあって大満足。観覧は無料、案内も無料で、文化に対する自負を感じられてよかった。

 ここまでスーパーマーケットに一度も行けておらず、買いたいと思っていたものはスーパーでないと手に入らないものがほとんどであったので、ちょっと遠回りしてでも行くことに。東京でも同じ話だが、一応大都会であるのでスーパーはなかなか見つからない。ヨンサン駅前の大型モールの中にスーパーが入っていて、そこで爆買い。旅の醍醐味はやはりローカルスーパーだなと思う。手がちぎれるくらい袋にいっぱいの食材を買って、とても楽しかった。レンジで温めて食べるようなチルド商品に美味しそうな物(トッポッキなど)がたくさんあったが、持ち帰りに不便なためにそれらを買えなかったことだけが心残り。その次の日、金浦空港併設のモールでもスーパーに行ったので、別にこの時全部買ってもよかった。まあいいや。

荷物が大量なのでとりあえずホテルに帰る。休憩。その後ホテルの近くのカンジャンケジャン屋さんへ。案の定日本人の客ばかりで、やっぱりカンジャンケジャンって日本でしか流行っていないのでは?と思って恥ずかしくなった。欲望レベル1みたいな食べ物だから肝心の味は魚卵の主張が強く、知ってる味やんという感想だった。おいしいけど。

 

1/4

 ホテルで朝食をとり、9時ごろにチェックアウト。DDPの中を通り、朝一番でキョンボックン方面へ向かう。本当はDDPもじっくり見たかったがきちんと開いているような時間に訪れられず終い。ホテルから1番近い観光地なのに結局DDPがなんの施設かも良くわかっていない。こういうところに旅の下手さが出てしまっているなと思う。

 キョンボックン最寄りの駅で降りるはずが、電車を乗り過ごし、中途半端な駅でロッカーに荷物を預けることに。無事交通カードで決済できてよかった。15分くらい歩いてキョンボックンに到着。ちょうど衛兵交代式を見られてよかった。自分の前で式を眺めていた白人が、終始ヘラヘラと馬鹿にしたように笑っていて、実際何が可笑しかったのかはよく分からないが、たとえフェイクな見せ物だとしても文化そのものが軽んじられているようで嫌な気持ちになった。キョンボックン自体はとても見応えのある施設。普通に考えてやはりここは1日目に来るべき。11時半ごろ出て、少し歩いたところにあるサムギョプサル屋に向かう。ここで食べたキムチサムギョプサルがこの旅1番の大ヒットであった。豊富な具材、酸味が効いたよく焼きキムチ、厚みのある豚肉、思い出すだけで幸せな気持ちになる。最後に出てきた、海苔やエゴマを混ぜ合わせたチャーハンも美味しかった。普通の白ごはんで食べたい気持ちもあったが

 その後またキョンボックン方面へ戻り、青瓦台へ。ここは外から眺める程度のつもりでいたのが、大統領府が他に移ったことにより敷地内が無料で自由に観覧できるようになっており大棚ぼただった。その後北村をぶらぶらしながら坂を下る。適当に歩いたらひたすらどうでもいい通りに入ってしまい、結局後で折り返してフォトジェニックな通りを再度歩き直すことになった。ここでも旅の下手さが表れる。

 旅の上手い下手とは一体なんなのか事前の下調べの程度、段取り組みの能力、こっちの通りには良い店がありそう、といった勘の良し悪しに左右される気はしているが、別に下手でも期待値というか満足の閾値を下げればいいだけの話ではある。

6/17-18

 曲作り、カインズモールまで運転して行ってコンポストの用意をしようとするがコンポスト関連のものが何も売ってない。仕方なく腐葉土を買って手持ちの段ボールでやることにする。ベイシアに寄る。大泉が近いこともありブラジル系の家族客が多い。異国的な雰囲気。別にベイシアの方が安いということはなさそう。

 夜中12時ごろに家を出て恐々高崎に車で向かう。道が空いていてめちゃくちゃスムーズなので運転していて気持ちがいい。道の混み具合ってこんなに昼と夜で違うんだ。高崎に着いたのが1時半ごろ。もう既に909さんもせきとばの出番も終わっていて申し訳ない気持ちに。会場のエアコンが壊れているらしく、湿気と暑さが凄かった。なかなか長い時間フロアにいられず外に出たり入ったりする。テクノの展開作りをできる人はすごいなと思う。パッドやドラムスの抜き差しのバリエーションがどうしてそんなにいろいろと思いつくのだろう。その後909さんと朝方まで喋り倒す。6時頃会場を後にして運転して帰る。眠気とストレスが限界。ざっくり寝て9時半ごろ起きる。化粧そのまま太田駅まで運転し、ドンキに駐車。新宿へ電車で向かう。着いたのは映画上映開始の13時ギリギリ。ブルージャイアントを見た。感想として「熱いですね~」という感じ。音楽はすごく良かったがストーリーが凡庸で、アニメ独特の歌舞伎感にやはり抵抗があった。映画館で映画を観たのが久しぶりで、改めて映画館という装置はダイナミックに物語を伝える力、大きく心を揺さぶる力があるなあと思った。逆に言うとこのフォーマットに見合うように物語や音響のスケール感は限定されるんだなとも。

 

6/25

 10時から澤田さんとikeaに運転して向かう。基本スムーズだったが川口と草加あたりで混雑。ikeaレストランでミートボールとかクロワッサンを食べる。

トータルで15000円分くらいの家具と家財を買う。ワゴンやサイドテーブル、収納ボックス、タッパーなど。帰り安行の緑化センターに寄る。多種多様な植木が手ごろな価格で売っていて、超テンションが上がった。クワズイモを1650円で購入。帰ってきてどっと疲れて昼寝。夜、あーちゃんとママと三人でたくぞうの家でやきとりを食べる。めちゃくちゃ美味しかったし3人で夏休みどこ出かけるか話し合ったりして楽しかった。

 

7/17-7/21

 朝てきとうな時間に起きて(だいたい7時半頃)、10分程度車を運転して仕事場へ向かい、きっかり8時間仕事をして、18時ごろには家へ帰る。仕事は淡々とした作業と、勉強を含め自分の意思によって進む仕事が6:4といった割合で、絶妙に辛くも退屈でもない。日中外は35度を超えることもある暑さなのに、ラボ内は常に空調で快適な温度が保たれている。

 総じて「快適な温度が保たれている」感じの生活だなと思う。6月末までの交代勤務、肉体労働の日々から一転して、特にきついと感じる瞬間や週末にかけて疲労が蓄積していく感覚はない。ただ日中いくらコーヒーを飲んでも頭が冴えた気がしないし、体を十分に動かしていないので夜ぐっすりと寝た感じがしない。

 工場内でのライン作業は、ひたすら退屈ではあったが、自分の手を動かすことによって確かに一台一台の車が作り上げられていって、「労働しているんだな」という実感があった。一方で今分析屋として取り組んでいる仕事の一体どれほどが将来的に会社の利益につながるだろうか。半年以上かけている品質改善の業務や、1週間かけて丁寧にパワポの資料を作る作業など。

 

7/18

 同期の女子とコナズ珈琲に夜ご飯に行く。自分から誘っておいて申し訳ないが、つくづくこいつのこと苦手やなと思う。結局やっぱりこの日会ったことで結構気分が落ち込み、それを次の日まで引きずる。常にうっすらと軽んじられている感じがあり、会話の話題もマウンティング的内容が多い。けど一番はやはりユーモアが合わないところで、それでどっと疲れるんだろうなと思う。属性につなげて考えるのは良くないが安直に「慶應SFCってやっぱこういう感じやんな〜」とか思ってしまう。もう2年目だし、無理して会社の人間と課外で会うのはやめよう。3ヶ月に1回でいいわ。一方で、彼女の態度は自分にも心当たりがあり、かつて他の誰かに対してとったことのある態度なのである。そんな態度をとっていた時期には慢性的にストレスを感じていたし、「俺はもっとこんなもんじゃねーぞ」と思っていたし、どこか他に自分に似合う場所があって早くそこに行きたいと思っていた。生産現場での実習を通して良くも悪くも去勢された気がしていて、謙虚になって他人に対して敬意をもつことを覚えた一方でいろいろ妥協したり諦めるようになったなと思う。

 

7/20

 帰りにイオンモールに寄り、久しぶりに銀だこを食べた。めちゃくちゃ美味しくて満足。イオンモールのフードコートって楽しすぎる。スーパーのイオンで味噌やなめこなどを買う。お菓子売り場では小学生の兄妹が商品棚を眺めながらクネクネとダンスをしていて、夏だなあと爽やかな気持ちになった。